屋根工事

屋根工事

住宅の屋根は最も過酷な環境に直面する部分であり、家全体を外部の環境から守る重要な役割を担っています。屋根の修繕や改修は、経年劣化によって蓄積されたダメージに対処し、雨漏りを防ぎ、強風や地震の際に屋根材が飛散したり落下したりするリスクを軽減するために実施されます。すべての建材には寿命があり、特に屋根は住宅の耐久性に大きな影響を与えます。専門家の間では、住宅の寿命の約70%が屋根の状態に左右されると言われており、屋根を適切に管理し健全な状態に保つことができれば、住宅全体の長寿命化につながるのです。​​​​​​​​​​​​​​​​

築10年が経過したら点検をおすすめします

大規模な屋根リフォームは、通常、住宅を建ててから10年以内に行う必要はほとんどありません。屋根の大規模な工事は、一般的にはもっと年数を経てから検討されます。この際に重要となるのが、屋根の防水紙の寿命です。現在使用されている防水紙のほとんどは、耐久年数が約20年程度とされているため、屋根材の劣化状況と併せて点検が必要となります。屋根の種類は多岐にわたりますが、どのような屋根であっても、定期的な点検は住宅の維持管理において不可欠な作業となります。​​​​​​​​​​​​​​​​

スレート屋根(コロニアル/カラーベスト)

スレート屋根は表面に塗装が施されており、この塗膜がスレート素材そのものへの雨水の浸透を防いでいます。定期的な屋根塗装を怠ると、スレートの耐用年数は大幅に短縮されてしまいます。これは、雨水がスレート内部に染み込み、乾燥や凍結の過程で素材が繰り返し収縮することが劣化の主な原因となるためです。スレート屋根の健全性を保つためには、8~10年ごとに塗装を行うことが推奨されます。この定期的なメンテナンスにより、スレート屋根の寿命を大幅に延ばすことができます。​​​​​​​​​​​​​​​​

メンテナンスしなかった場合

20年

メンテナンスをしていた場合

約30~35年

瓦屋根

瓦には多様な種類があり、特性が異なります。粘土から製造される釉薬瓦、いぶし瓦、素焼き瓦は非常に耐久性が高く、40~50年以上の長期間にわたって使用でき、特別な塗装やメンテナンスを必要としません。一方コンクリート瓦やセメント瓦は、耐久性を維持するために定期的な屋根塗装が必要です。また、漆喰を適切に詰め直すことで、瓦屋根の寿命をさらに延長することができます。瓦の種類によって、メンテナンス方法や耐用年数が大きく異なるため、特性に応じた適切なケアが重要です。​​​​​​​​​​​​​​​​

メンテナンスしなかった場合

約20年

メンテナンスをしていた場合

約20~30年

金属屋根

現在市場に流通しているガルバリウム鋼板には、マグネシウムを含むメッキ処理が施されたものがあり、従来の鋼板と比較して3倍もの耐久性を持つと言われています。金属屋根の寿命を延ばすためには、約10年ごとに屋根塗装を行い、塗り替えることが効果的です。金属屋根は定期的なメンテナンスを行うことで、その耐久性と美観を長期間にわたって維持することができます。適切なケアと塗装により、金属屋根の性能と外観を最適な状態に保つことが可能となります。​​​​​​​​​​​​​​​​

メンテナンスしなかった場合

約15~20年

メンテナンスをしていた場合

約40年以上

葺き替え工事

屋根の葺き替えは、既存の屋根材を完全に取り外し、新しい屋根材に交換する工事です。この方法の利点は、防水紙や野地板など通常は手の入れにくい部分も同時にメンテナンスできることです。近年では、軽量な金属屋根への葺き替えが増えており、新築時と同等またはそれ以上の性能を得られます。

葺き直し工事

屋根葺き直しは、既存の屋根材を一旦取り外し、下地の修理と防水シートを交換した後、同じ屋根材を再設置する工事です。外観を大きく変えずに必要な修繕を行えます。ただし、瓦や天然スレートなど耐用年数の長い屋根材に限られます。

カバー工法

カバー工法は、既存の屋根の上に新しい防水シートと屋根材を被せる施工方法です。解体作業が不要で、短期間かつ低コストでリフォームできるため人気があります。平板の屋根材に適していますが、屋根内部の劣化を直接修繕できないため、屋根の状態によっては推奨できない場合があります。

塗装工事

屋根の定期的な塗り替えは、住宅を保護する上で極めて重要な作業です。屋根は直接雨風や紫外線にさらされるため、建物の中でも最も劣化しやすい部分の一つです。塗装は屋根の耐久性と防水性を維持するための重要な手段となります。

棟板金工事

棟板金は屋根の最上部に設置される板金で、非常に重要な役割を果たしています。その主な機能は、雨水が屋根材の下へ浸入するのを防ぐこと、そして強風による屋根材の飛散を防ぐことです。
棟板金は設置後約10年経過すると、経年劣化により浮きが発生することがあります。このような状況が生じた場合、釘の打ち直しや棟板金の交換といった修繕工事が必要となります。

雨樋工事

屋根に溜まる雨水をまとめて流す装置を修理したり交換する工事のことです。雨樋は、腐食の原因となる雨水が住宅に侵入することを防ぎ、雨水による外壁の汚れから家を守る重要な役割があります。雨樋の破損や劣化は建物の寿命を縮めます。劣化に気づいたら早めにリフォームをしましょう。

漆喰工事

劣化した漆喰を取り除き、新しい漆喰を詰め直す工事のことです。漆喰は屋根の棟と瓦の間の隙間を埋め、屋根の葺き土を雨風から守り、瓦を接着させる目的で塗られています。屋根瓦の耐用年数は50~60年と長いですが、漆喰の寿命は20年前後で表面が朽ちてきたり、剥がれてきたりするのが一般的です。